ドラマが前半だけ面白くて途中からつまらなくなる理由。
いよいよ秋の新ドラマがはじまる時期ですね。(既にはじまっているドラマもありますが)
これからまた毎日のようにドラマのあらすじが書かれたネットニュースが飛び回ります…興味ないドラマのあらすじほどどうでもいいものって個人的にはないと思うのですが、あれ見て見てみようって思う方どれくらいいるんですかね?
そのニュースの下にあるコメント欄に「はじめは面白かったのに~」という内容をわりとよく見かけます。最終回あたりとかすごいですよね。
具体的なドラマ名はそのドラマのファンの方に申し訳ないので書きませんが、実際そういうドラマってめちゃくちゃ多くないですか?
その理由は、脚本にかけられる時間の差にあります。
ドラマづくりの流れ
そもそもドラマって内容よりもまず主演俳優ありきで決まります。
「今度、〇曜日の△:00から□□□□さんでドラマやるんだけど、どんな企画にしようかな」ってな感じです。
で、そこから色々企画を練って、主演俳優の事務所に提案⇒OKをもらえたら本格始動です。
1話・2話の執筆
企画が決まったら脚本家は第1話の執筆作業に入ります。
で、主演以外のキャスティング等、ドラマをつくるにあたり必要な諸々が決まっていくうちに第2話が出来上がります。
つまり、1話・2話はけっこう時間をかけて作れるんです!!
3話以降の執筆
3話以降になるともうドラマの撮影がはじまっているので、執筆時間が格段に減ります。
全10話のドラマだとすると…
10話-2話(既に執筆した話)=8話(残り必要な話)
8話÷90日(ドラマ撮影期間)=11話くらい
話数にもよりますが1クール(3ヶ月)ものだと1話あたり平均11日くらいでしょうか?朝ドラとかだと当然もっと減ります。
しかもですよ、この11日って別にずっと脚本を書くのに費やせる時間ではないのです。家の中に11日間閉じこもって脚本を書いて俳優・スタッフに配って「はい、撮影スタート☆」じゃないんですよ。
まず大まかなストーリーを書いて打ち合わせをしてその回の方向性を決めて、脚本の初稿に入り、初稿が出来たらまた打ち合わせをしてお直しをして.....のエンドレスです。脚本家がどんなに良い脚本が出来た!と思っても、出演する俳優や俳優の所属事務所からのダメ出し※、撮影場所や撮影時間の確保が難しい場合はまた書き直さなければいけません。
※ダメ出し例としては…「こんなセリフ言えない」とか「こういうシーンはできない」とか「〇〇の出演シーンを増やせ」等、色々あります。
そして、これらを全部クリアし、「よーし、これで完璧な脚本だ!」というのを11日間かけて作るのです。めちゃくちゃハードじゃないですか?
また、この11日って平均ですからね!?現場が切迫していたら5日とかで作んなきゃいけないことも残念ながらめちゃくちゃよくあります。この間、とあるドラマの監督をしていた方とご飯を食べていたのですが、「脚本が出来な過ぎて、9~11話(最終回)まで3日間でまとめて全部撮って死ぬかと思った」って笑いながら話してましたからね…想像するだけで過酷……
まとめ
まあ、つまりなにが言いたいかというと、ドラマで1話・2話が面白いのは時間をかけてストーリーを練られる分わりと当たり前なんです。でも、3話以降、更に言えば最終回に近くなれば近くなるだけそのドラマが面白くなるのだとしたら、その脚本家はものすごく能力の高い方というわけです。
もちろん視聴者からしたら、制作時間なんて知ったこっちゃないから面白いドラマ作れや!!って話なんですがね。
今クールのドラマが3話以降も面白いかどうか、ぜひ注目してみて下さい!